2017年05月28日

『パテント』(弁理士会誌)2017年5月号論文掲載のお知らせ

 『パテント』(弁理士会誌)2017年5月号に掲載された私の論文
 『知財コンサルティングの観点からみた弁理士に求められる能力
 を、本体ブログの論文Boxにアップしました↑
 
 こちらのミニブログは映画・DVD等のお気楽エッセイですが、
 普段は真面目な弁理士として仕事をしており、
 難しいことも考えています。

 ここ2年間、
 弁理士会関東支部の中小企業ベンチャー支援委員会に所属して、
 40代前後の弁理士の先生方の中小企業ベンチャー向けの
 レクチャー・ワークショップ等のリハーサルチェックをさせてもらいましたが、
 考えさせられることが多くありました。

 特に、中小企業ベンチャーのための知財コンサルティングをするには、
 40代前後の弁理士先生方のディベート能力は、
 もう少し鍛える必要があると思います。

 昨年(2016年)の11月にそのようなことを考えながら投稿したものです。

 本論文は、誌上討論会特集の問題提議編として、他の6つの論文と共に、
 『パテント』2017年5月号に掲載されました。

 他の6論文もなかなか力作で、私は、
 花田弁理士の
 『プロダクト・バイ・プロセスクレーム非該当性を巡る攻撃防御方法』
 栗原祐介さんの
 『オープンアクセス時代における学術論文の著作権管理に関する一考察』
 を興味深く読ませていただきました。

 私の論文の最後の頁に予告されていますが、弁理士会では、
 私の論考を含む7つの論文に対して質問、意見、反対論文を募集しています。

 特に若い弁理士の先生方は、
 ディベート能力を鍛えるよい機会と思って応募してみて下さい。
posted by Dausuke SHIBA at 21:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 論文

2017年05月08日

『家族はつらいよ1&2』山田洋次監督が開き直ったブラック喜劇

 4月に入ってから事務所の移転作業で、
 ブログの更新が止まってしまいましたが、
 5月の連休に入って一段落したところに、
 お客様からご祝儀の試写券をいただきました。

 『家族はつらいよ』(2016年3月12日公開)も、
 昨年(2016年)3月上旬に試写会に行かせていただき、
 とても面白かったので、このたびの節目の時に
 『家族はつらいよ2』を試写会で観ることができるのは、
 とても嬉しいことでした。

 『家族はつらいよ』は、
 今さら山田洋次の『男はつらいよ』のロートル版を観るのも、
 こちらがつらいよと思い、最初は気が進みませんでしたが、
 予想外に良かったので、試写券をいただいたお客様に、
 以下のような感想を送らせていただきました。

******

 『家族はつらいよ』は、
 あちらに片足を突っ込んでいる山田洋次監督ならではの、
 相当にシュールかつブラックな、喜劇といえば喜劇で、
 ここまでいくと開き直って爽やかな気持ちになれるというものです。

 遅咲きで、私から見るとまだ新しい老け役の橋爪功と、
 実年齢が彼より五つ以上年上で、40代を30年以上していた吉行和子との、
 60代後半の設定の夫婦、

 橋爪功と吉行和子の夫婦との実年齢差は親子といえそうでも、
 60代後半の夫婦の長男とは思えない西村雅彦と、
 西村雅彦の妻にしては若い夏川結衣との、
 40代の設定の夫婦、

 60代後半の夫婦の次男の設定としては妥当だけれども、
 実年齢80代の吉行和子の次男かよ、としかいいようのない、
 妻夫木君とそのフィアンセの蒼井優との「若い」カップル、

 こんな家族ありえねェ! という感じで、
 山田洋次監督は、もう、
 キャストの年齢リアリティなどどうでもよいという雰囲気です。

 さらに、山田洋次監督は、吉永小百合以外は、
 女優を美しく撮ることもどうでもよくなっているとしか思えない、
 風吹ジュンと中嶋朋子の無残なメイク。

 俳優たちも、それを楽しんでいるかのように、
 凄まじい迫力の舞台劇を演じています。

 舞台は陽光もうららかな、横浜郊外の相応の高級住宅街ですが、
 コダックフィルムを使用してここまで地味でくすんだ色彩は、
 意図的かなと思います。

 美人女将(風吹ジュン)の美味しそうな居酒屋料亭に入りびたり、
 長年連れ添って老いた妻に離婚届を突き付けられた頑固親父が、
 ついに卒倒して病院に担ぎ込まれ、
 ブラックな笑いのシチエーションに続いて、最後の、
 妻夫木君と蒼井優の新婚(にしては・・・)の旅立ちも、
 新しい世代を爽やかに送り出しているとはとても思えません。

 久々に鬼気迫るブラック喜劇は本当に楽しめました。

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 『家族はつらいよ2』のブッラクぶりも健在で、
 この3世代家族の異様な雰囲気を、引用した試写券の写真で感じてみてください。

IMG_0001.jpg

 今回は、離婚の危機を乗り越えた橋爪功と吉行和子の夫婦が、
 オーロラ見学の海外旅行を計画するも、
 一人で伸び伸びしたい橋爪功が駄々をこねて同行せず、
 吉行和子が清々とした気分で、
 セレブの老人会仲間と旅立つところから始まります。
 
 吉行和子の留守中に、橋爪功は、
 かねてから橋爪功の暴走運転に腹を据えかねて、
 橋爪功に免許返上を迫る西村雅彦と夏川結衣の夫婦に対して、
 醜い言い争いをしながらも、
 性懲りもなく自家用車を繰り出して美人女将と浮気デートを開始し、
 行く先々で車の破損事故を起こすという、
 天罰が当たるのも仕方がないデタラメ生活を送ります。

 そして、車の事故がきっかで、
 故郷の広島の高校時代の老いさらばえた学友(小林稔侍)と出会い、
 この学友を交えた久しぶりの同級生仲間との飲み会をきっかけに、
 またもや、この3世代家族がとんでもない事件に巻き込まれます。

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 大企業の管理職を終え、横浜の郊外に3世代が生活できる家を建て、
 おそらく年金もたっぷりともらい、
 息子と娘の3人の子供たちも無事結婚し、孫も相応に育っている、、
 戦後の日本人が到達した理想を体現しているはずの家族なのですが、
 それぞれが超エゴイストの俗物の塊であり、ひたすら老醜を曝け出し、
 彼らの友人達を含めて、夢も救いも身も蓋もありません。

 そして、前回も今回も、彼らに迫りくる死を相当に意識した
 シチュエーションが組込まれています。

 あの名作『家族』(1970年)で否定的に描かれた、
 大阪万博に浮かれた日本人の成れの果てを、
 山田洋次監督が長寿を活かして情け容赦なく描いた
 といえるかもしれません。

 今後も、何も新しいものを生み出さず、
 ひたすらエネルギーを消耗して生きていく老人達の哀れにも滑稽な姿を、
 山田洋次監督には悪趣味に描いてもらい、
 橋爪功さんと吉行和子さんには元気に演じ続けて欲しいと願っております。
posted by Dausuke SHIBA at 15:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画