2018年10月28日

知財テーマブログの最新記事:特許法等改正説明会2018(H30.10.9)の参加報告

 私の知財テーマブログに、特許法等改正説明会2018の参加報告
 を掲載しました。

 私の顧客に最も影響のありそうな
 「中小企業等の特許料等の一律半減制度の導入」について、
 特許庁の説明が非常に解り難かったので、注意喚起も兼ねて報告します。
posted by Dausuke SHIBA at 16:54| Comment(0) | TrackBack(0) | お知らせ

2018年10月21日

『あいあい傘』原田知世さん、再び時をかける

 秋に入ってから、立て続けに映画の試写券をお客様からいただき、
 感謝に堪えません。

 かつてラジオの試写会案内に応募していた頃は
 (ラジオ関東の試写会はよく当たりました)、
 映画代が浮くし、というさもしい気持ちと、
 傷のないまっさらなフィルムで美しい映像が堪能できるとの思いで、
 有り余る時間を試写会に充てる楽しみがありました
 (高校でこのようなことをやっていたので受験には苦労しました)。

 そこそこ忙しい弁理士稼業をしていますと、
 休日=「映画でも行くか」という感覚がなくなり、
 日時がその1回に決まっている試写会の方が、
 お客様との打ち合わせと同じ感覚で出向くことができ、
 映画館と違い、開場まで長蛇の列の中で立って待待つことも、
 苦行と思わなくなっている、今日この頃です。

******

 今回の『あいあい傘』は、試写券を見て初めて目にしたタイトルで、
 試写券の写真をみているだけでは、誰が出演しているのかも判別がつかない
 (最近、若い女優はみな新垣結衣さんにみえてしまう)状態でした。

 しかし、見だしてから、そして見終わってびっくりしました。

 原田知世さんが本当に美しく圧倒的な存在感で、
 この映画の欠点を全て浄化して、この映画の本来の味わいを伝えており、
 舞台となる山梨の美しい田舎町にたゆたう登場人物達に寄り添うカラフルな映像と
 ラストの竹内まりやの明るい元気のでるポップな主題歌が相まって、
 後味がすこぶる良いのです。

 実際、エンドマークが出ると、
 試写会場(一ツ橋ホール)は拍手で包まれました。

 10月26日から公開ですので、是非、ご覧になることをお奨めします。

 試写券の紙面を引用しますので、雰囲気を感じてみて下さい。IMG_0001.jpg

■原田知世さん■

 『時をかける少女』で美少女=16歳の原田知世さんは時をかけて
 時を浮遊して彷徨い人になった深町君を助けるのですが、

 本作では、清楚で美しい透明感のある女性=今の原田知世さんは、再び時をかけて
 山梨の田舎町で、人生の闇に迷い込んで浮遊する哀れな男を助けて、
 山梨の田舎町に共に住み込んでしまいます。

 かつては、松任谷由美が「時をかける少女」で併走したところを、
 今回は、竹内まりやが『小さい願い』で併走してくれたということで、
 同世代の私としては嬉しい限りです
 (竹内まりやは声に衰えがないのも嬉しい)。

 本作は、実は、
 この男が置き去りにした娘が美しい女性カメラマンとなって、
 25年ぶりに父に会うために、この田舎町に写真撮影に出向き、
 果たして娘は父に会うことができるのか、というのがメインストーリーで、
 美しい娘を演じる倉科カナが主役で、男を演じる立川談春が準主役なのです。

 しかし、倉科カナはチャーミングに好演しているのですが、
 男を救う原田知世さんの美しさと切ない気持ちがストレートに伝わってしまい、
 原田知世さんが主演だったとの印象しか残らないくらい素晴らしいのです。

■物語の奥深さ■

 娘が25年間行方知れずの父に会えるのか?
 という物語の基本構成はとても良いと思いますし、
 かつての舞台が幻の名作と言われたのもよくわかります。

 この話、ちょっと怖いところもあって、
 男は、あっちの世界と根っ子では繋がっているこっちの世界に勤めていて、
 その根っ子のところに絡み取られて、
 人生の闇に迷い込んで浮遊してしまうのですが、

 彼を救ってくれたのは、やはりあっちの世界の人たちで、
 彼がこっちの世界に戻るのはとてつもなくハードルが高く、
 だからこそ、こっちの世界で根っ子を張る娘との繋がりがどうなるのか、
 最後まで答えがでないままとなります。

 それだけ、娘・・・父=男・・・玉枝の気持ちが切なく、
 見る側の心に迫ります。

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 以下は、映画をご覧になってからお読みいただく方が良いと思いますが、
 読んでも、この映画の後味が減ずることはないと思いますので、
 自己責任で読んで下さいね。

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 原田知世さんが全て浄化してくれており、
 この映画は原田知世さんに救われていると思いますので、
 どうでもよいことかもしれませんし、
 宅間孝行監督が、原田知世さんを配役しただけで許すけれども、
 一応、一言、余計なお世話を言わせてもらいます。
 
■配役■

 人生の闇に迷い込んで浮遊する哀れな男が、
 美しい謎の女性である玉枝(原田知世)と共に過ごした25年間を
 具体的には描きようがないのですから、

 人生の闇と25年の人生を、
 立っているだけで感じさせる存在感のある役者を配さなければ、
 この物語は映画としては成立しないはずです。

 『散り椿』でも素人の岡田准一を起用して失敗しており、
 本作でも、重要である男の役を、素人の立川談春に演じさせていますが、
 立川談春には無理です(舞台では、永島敏行ですから良いと思います)。

 そして、映画は舞台と異なり、生身の俳優が目の前に出てくるのではなく、
 映像の中の幻ですから、映っているだけで華があるくらいでないと、
 映画全体を背負いきれないはずです。

 『蒲田行進曲』の女優の小夏を、
 つかこうへいの舞台では、名優・根岸季衣が演じましたが、
 深作欣二の映画では、美人女優・松坂慶子(今もお美しいです)が演じて成功し、

 『マイ・フェア・レディ』のイライザを
 舞台ではミュージカルの名優ジュリー・アンドリュースが演じましたが、
 映画では吹替をしてまでもオードリー・ヘップバーンが演じましたよね。

 それと同じで、
 男の役は、草刈正雄か高橋克典あたりに演じて欲しかった。

■脚本■

 登場人物の行動の理由について、伏線を張ってはその回収をするのですが、
 小刻みに多すぎて、見ていて鬱陶しくなります。

 ミステリー・サスペンス系の物語ではないのですから、
 『桐島、部活やめるってよ』くらいに、
 娘の心情を決定づける場面だけに絞って伏線・回収作業をすべきでしょう。

■演出■

 宅間監督は本来は舞台の脚本・演出家で、
 本作も2007年に舞台化され幻の名作として知られていたとのことです。

 男の娘である美しい女性カメラマンと絡む、
 田舎町のテキヤの3人組(市原隼人・福田日出子・竹内力也)も、
 演技と絡みが舞台の感覚で、これは演じた彼らの問題ではなく、
 演出の問題であろうと思います。

 げっぷをしたり、放屁させたりして、
 品のない連中であることを演出するのですが、演出の方が品がない。

 『男はつらいよ』で、旅先の寅さんとそのテキヤ仲間は、
 決して上品ではありませんが、そのことを、品のある演出で表現しています。

 『男はつらいよ』の山田洋次・森崎東・小林俊一の演出や、
 『バトルロワイヤル』の残虐な場面を品よくまとめる深作欣二の演出を
 見習って欲しいものです。

 テキヤ仲間の役も、俳優に存在感が必要ですが、本作の3人では無理です。

 『男はつらいよ』当時の、
 渥美清・森川信のような浅草で鍛えられたコメディアンを起用できない今、
 酷な注文ですが、何とかして欲しい。

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 しかし、私なら、原田知世さんであれば、
 後ろ髪を引かれるまま、原田知世さんのところから離れませんが、
 原田知世さんの方で止めてくれないでしょうし、

 私などが、雨の中、背中に寂寥感を滲み出して佇んでいても、
 ただの『終わった人』にしか見えず(舘ひろしならいざ知りませんが)、
 原田知世さんにあいあい傘を差しだされることもないので、
 そもそも、25年間の2人の道行きが始まることもないだろうと、
 しみじみと考えてしまいました。
posted by Dausuke SHIBA at 14:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画