2019年06月22日

『陸王』こはぜ屋のために知財コンサルティングをする(その8:第8〜10話・エピローグ)

■幕間■
右向き三角1『陸王』第7話では、
 アッパー素材の特許織物「ダブルラッセル」の供給が止まり、
 ソール素材の特許樹脂「シルクレイ」の製造装置が炎上して使用不能になり、
 『陸王』が製造できなくなったこはぜ屋を、
 世界的アウトドア用品メーカーのFelix社が買収を持ち掛けてきたところまで、
 展開しました。

右向き三角1『陸王』第8・9話は、ドラマでは、こはぜ屋は1件の特許も持たないので、
 宮沢社長は、なすすべなくFelixに身売りする瀬戸際まで追い詰められますが、
 「シルクレイ」特許権者の飯村氏(寺尾聰)が宮沢社長への恩義と信頼を取り、
 「シルクレイ」特許のライセンスをFelixにはしないという決断により、
 宮沢社長は、Felix社長(松岡修造)とある駆け引きをします。

右向き三角1陸王』第9・10話は、ドラマでは、こはぜ屋は飯村氏の「シルクレイ」特許を盾にして、
 Felix社がこはぜ屋に融資するという条件を引き出しますが、
 返済は5年以内にしなければいけません。
 宮沢社長(役所広司)はFelix社のこの条件を飲み、不退転の決意で、
 「シルクレイ」製造装置の再建と『陸王』の再事業化に取り組みます。

右向き三角1そして、シューフィッターの村野(市川右團次)がこはぜ屋から持ち出した
 最後に1足残されていた第2次改良『陸王』を履いた茂木選手(竹内涼真)は、
 完全な復帰レースと位置付ける豊橋国際マラソンに臨みます。

 詳細はこちらが参考になります↓
http://drama-night.com/tbs/rikuou-8wa
http://drama-night.com/tbs/rikuou-9wa
http://drama-night.com/tbs/rikuou-10wa

 私が腑におちないのは、おそらく飯村氏の「シルクレイ」特許は、
 残存期間が多くなく、5年過ぎてしまえば、
 Felix社は直ぐに「シルクレイ」を自由実施できてしまい、
 こはぜ屋を買収する動機付けもなくなるので、
 こはぜ屋はいつFelix社に切られても不思議ではないという点です。

右向き三角1特許の無名塾版『陸王』では、
 こはぜ屋はFelix社が欲しい低弾性シルクレイの特許2を持っているので、
 飯村氏とは独立に、Felix社とライセンス交渉(駆け引き)ができ、
 ドラマでの飯村氏のライセンスをFelixにはしないという決断は、
 こはぜ屋のライセンス交渉をさらに有利にするという位置づけになります。

 しかも、こはぜ屋の特許2の残存期間は、15年以上あるので、
 Felix社が低弾性シルクレイを使用するためには、長期間、
 こはぜ屋のライセンシーである必要があるので、
 こはぜ屋がFelixの融資を返済して企業体力を回復又は強化できてしまえば、
 逆に、こはぜ屋がFekixを切って、より条件のよいライセンシーと契約してもよく、
 極めて有利な立場になります。
 
■第8話■第9話■第10話■
 ということで、特許の無名塾版『陸王』では、
 表向きはドラマとほぼ同じ流れになりますが、

 第8話のこはぜ屋・宮沢社長と飯村氏の心理的葛藤は、
 こはぜ屋が特許権を4つ持つことにより、飯村氏のウェートが相対的に低くなり、
 こはぜ屋のFelix社対策を念頭に置いた知財戦略が中心にるでしょう。

 第9話の宮沢社長とFelix社の御園社長(松岡修造)との交渉は、
 宮沢社長の心境は、ドラマほどシリアスではなく、
 特許権をもつビジネス上の優位性を身をもって感じるという設定になるでしょう。

 第10話は、豊橋国際マラソンでの茂木選手の活躍で大団円となります。
 そして、ドラマと同じように、『陸王』を履いた茂木選手を、、
 大橋課長(馬場徹)のように、西島弁理士と秘書(石田ゆり子)が、
 TV中継を見ながらの熱くハグしながら応援するという場面で終わることでしょう。

■エピローグ■
 以上を見ていくと、TVドラマ『陸王』は、
 技術がコンセプトの中核にある新しい商品の開発を題材にしながら、
 関係する誰一人として特許化することを考えない、という、
 ほとんど空想科学小説の世界としか思えません。

 ドラマのように、宮沢社長が、弁理士に相談もせずに、
 『陸王』の試作品を無防備に外部に見せて回ることは、
 それだけで、『陸王』の特許化が困難になるだけでなく、、
 アトランティス社やFelix社のような巨大企業であれば、
 『陸王』試作品を見て、逆に先に特許出願して特許権を取得して、
 こはぜ屋が『陸王』を実施できなくなる、などというリスクに繋がり、
 こはぜ屋の倒産に直結しかねません。

 知財関係者の中には、このような場合、
 こはぜ屋は先使用権の範囲で実施できるから大丈夫、
 と条件反射的に説明する方も多いのですが、先使用権の主張は、
 アトランティス社の特許を侵害していることを自白していることになり、
 裁判で認められなければ、特許侵害を否定できなくなり、
 何と言っても、それ以上の改良ができなくなることもありえ、
 非常にリスクのある主張です。

 こはぜ屋が下手をすれば倒産に直結するような目にあわないのは、
 こはぜ屋サイドだけでなく、
 敵対的なアトランティス社とFelix社も、全く知財戦略を考えないためで、
 まず現実にはありえないということになります。

 特に、こはぜ屋の融資担当の坂本の設定が酷く、
 こはぜ屋の社長のメーカー志向が強ければ、
 当然に特許戦略を結びつけてこはぜ屋を評価しなければならないでしょうし、
 坂本はベンチャー企業を顧客とする融資ファンドに転職するのですから、
 特許戦略が不可欠なベンチャー企業に、身売り話だけ持って行っては、
 顧客から愛想をつかされます。

 また、一張羅の装置の特許権で一攫千金を狙うという飯村なる特許権者の描写も、
 いったい、いつの時代の話なのかと思ってしまいます。

******

 池井戸潤原作がドラマ化されてから結構な年月が流れていますが、
 TBSの総力を挙げてこの程度の脚本しか作成できず、
 このドラマを見た特許庁を含む多くの知財関係者が、
 「『陸王』から学ぶ・・・」なるネット記事を挙げながら、
 ドラマ『陸王』から何かを学んでいる(何か学ぶべきものがあるのでしょうか)
 という状況をみると、
 我国の知財制度の将来を悲観せざるをえないような気分になります。

 というわけで、『陸王』は、なりたての弁理士のための
 知財コンサルティングの練習用の素材としてとても良いと思うので、
 空想をたくましくして、こはぜ屋を知財コンサルティングすることをお奨めします。
posted by Dausuke SHIBA at 09:34| Comment(0) | TrackBack(0) | TVドラマ

『陸王』こはぜ屋のために知財コンサルティングをする(その7:第7話)

■幕間■
 『陸王』第6話では、弁理士が活躍し、ドラマと少し展開が変わります。。
 右向き三角1こはぜ屋が、タチバナラッセル社の特許織物「ダブルラッセル」をアッパー素材
  とした第2次改良『陸王』を完成する間、
  西島弁理士(西島秀俊)が第2次改良『陸王』に関する特許出願4をしながら、
  第1次改良『陸王』に関して特許出願1〜3を早期審査して特許1〜3にする。
 右向き三角1ニューイヤー駅伝で、こはぜ屋が支援する茂木選手(竹内涼真)が、
  第2次改良『陸王』を履いてアンカーとして走り、
  同じアンカーとなったライバルの毛塚選手(佐野岳)に競り勝ち、
  怪我からの復活を印象付ける。
 右向き三角1タチバナラッセル社がアトランティス社に寝返るが、
  アトランティス社は、特許1〜3が障害となってスポーツシューズに使用できない。
 
 『陸王』第7話では、ドラマは、以下のような展開となります。
 右向き三角1「ダブルラッセル」に代わるアッパー素材を大地(山ア賢人)が探すことになる。
 右向き三角1「シルクレイ」製造装置が火災で使用できなくなり、再建には1億かかり、
  メインバンクの埼玉中央銀行は融資を渋る。
 右向き三角1アウトドア用品の国際的大企業Felix社が、
  「シルクレイ」特許権者の飯村氏(寺尾聰)に、
  「シルクレイ」特許の独占的ライセンスを受けたいと申し出る。

 詳細はこちらが参考になります↓
http://drama-night.com/tbs/rikuou-1wa
http://drama-night.com/tbs/rikuou-1wa2/2
http://drama-night.com/tbs/rikuou-2wa
http://drama-night.com/tbs/rikuou-3wa
http://drama-night.com/tbs/rikuou-4wa
http://drama-night.com/tbs/rikuou-5wa
http://drama-night.com/tbs/rikuou-6wa
http://drama-night.com/tbs/rikuou-7wa

 ドラマでは、こはぜ屋は『陸王』関連特許を有しないので、
 Felix社との交渉当事者になりようがなく、
 「シルクレイ」のライセンスを継続するには飯村氏の胸先三寸に賭けるしかない
 という極めて非現実的な設定になっています。

 特許の無名塾版『陸王』では、こはぜ屋は既に3件の特許権を有していますので、
 外見上の進展は一見同じようにみえても、
 登場人物の胸中はドラマの展開とは大きく様相が異なってきます。

■第7話■
●西島特許事務所●
 西島弁理士が、ミーティングテーブルを挟んで、宮沢社長(役所広司)に、
 アッパー素材の探索と「シルクレイ」製造装置再建のアドバイスをしている。
 秘書(石田ゆり子)が、和歌山の高級南高梅を添えたほうじ茶を置いて、
 憂いを含んだ笑みを浮かべて退室する。
〔西島〕「ダブルラッセル」を含むアッパー素材に関する特許出願4については、
    また大門審査官が担当でしたが、先日、大地君も面接に行ってくれたおかげで、
    特許査定がきていました。
〔宮沢〕大地も、あの大門審査官の超上から目線審査にはとても怒ってましたが、
    まあ、それも社会勉強ですよね。
    西島先生のおかげで、知財戦略は着々と進んでいるのですが、
    開発が頓挫してしまい、本当に情けない。
〔西島〕大地君には、こはぜ屋さんの持っている4件の特許を頭に叩き込んで、
    アッパー素材メーカーに当たるよう伝えて下さい。
〔宮沢〕「シルクレイ」製造装置再建の方は本当に参っています。
    飯村氏がFelix社に心を動かすのも無理ありませんし。
〔西島〕いや、Felix社はそのうち、宮沢社長に話を持ち掛けてくるでしょう。
    飯村氏の「シルクレイ」特許のライセンスを受けても、
    Felix社の欲しいのは、
    飯村氏の「シルクレイ」特許に書いてある高弾性シルクレイではなく、
    こはぜ屋さんが持っている特許2の低弾性シルクレイですから、
    飯村氏と話していても意味がないことをすぐに理解すると思います。

●こはぜ屋の事務所●
 宮沢社長、富沢専務(志賀廣太郎)、そして西島弁理士が
 「シルクレイ」製造装置再建について討議している。
〔宮沢〕西島先生、わざわざ、和歌山の南高梅をお土産にもってきていただき
    ありがとうございます。先日、とても美味しかったものですから嬉しいです。
    すみません、うちだと茶渋のついた湯飲みと安いお茶しかなくて。
〔富島〕西島先生が仰ったように、
    坂本さんも、Felix社がこはぜ屋を買収したいという話を嗅ぎつけて、
    この話に乗っかったらどうかと言ってきたんです。
    こはぜ屋を身売りするなんてとんでもない話だと私は断固反対しています。
〔宮沢〕先日、融資担当の大橋課長(馬場徹)もめずらしく富島と同じこと言ってました。
〔西島〕私も、今回は、富島専務のご意見に賛成です。
    Felix社もこはぜ屋さんを丸ごと買収とは凄い話をもってきましたが、
    こはぜ屋さんが特許をもたない裸一貫の企業なら
    それもやむを得ないかもしれませんが、
    こはぜ屋さんは特許権で「裸足感覚」のスポーツシューズ市場を制圧しています。
    ですから、Felix社が当初飯村氏に持ち掛けた話に引き戻して、
    こはぜ屋さんの特許権に関するライセンス交渉にしてはどうでしょうか。
(続く)
posted by Dausuke SHIBA at 09:26| Comment(0) | TrackBack(0) | TVドラマ

『陸王』こはぜ屋のために知財コンサルティングをする(その6:第6話)

■幕間■
 『陸王』第5話では、以下の展開となりました。
 右向き三角1シルクレイ樹脂をソール素材とした改良『陸王』を茂木選手(竹内涼真)が履き、
  怪我からの復活の手応えを掴む一方、
  茂木選手を契約選手とするアトランティス社が、
  茂木選手仕様のスポーツシューズ『RU』を茂木選手に履くよう強要します。
 右向き三角1こはぜ屋では、さらに、タチバナラッセル社の織物をアッパー素材とする
  第2次改良『陸王』の開発に着手します。
 右向き三角1こはぜ屋の動きに合わせて、西島弁理士(西島秀俊)は、
  @新規アッパー素材を対象とした特許出願4をすることと、
  A「シルクレイ」を中核素材とする特許出願1〜3を早期審査すること
  を宮沢社長(役所広司)に提案します(ここは特許の無名塾版『陸王』です)。

 『陸王』第6話では、以下の展開になります。
 右向き三角1こはぜ屋が、タチバナラッセル社の特許織物「ダブルラッセル」をアッパー素材
  とした第2次改良『陸王』を完成させ、茂木選手に第2次改良『陸王』を届ける。
 右向き三角1茂木選手がアトランティス社の『RU』を履くか、『陸王』を履くか、
  迷った挙句『陸王』を履いて、復帰レースとなる、ニューイヤー駅伝にエントリーし、
  ニューイヤー駅伝での茂木選手の活躍が山場となります。
 右向き三角1そして、ついに第2次改良『陸王』は商品化され、店頭版橋されます。
 右向き三角1アトランティス社は、『陸王』が思った以上に良い商品であることから、
  タチバナラッセル社に、
  特許織物「ダブルラッセル」のこはぜ屋への提供を止め、
  アトランティス社に提供するよう、取引を持ち掛けませす。

 詳細はこちらが参考になります↓
http://drama-night.com/tbs/rikuou-1wa
http://drama-night.com/tbs/rikuou-1wa2/2
http://drama-night.com/tbs/rikuou-2wa
http://drama-night.com/tbs/rikuou-3wa
http://drama-night.com/tbs/rikuou-4wa
http://drama-night.com/tbs/rikuou-5wa
http://drama-night.com/tbs/rikuou-6wa

 こういうときに、弁理士は縁の下の力持ちとして、
 華やかな茂木選手の活躍の陰で、
 特許出願の審査対応をしていたりするわけです。

 また、こはぜ屋が西島弁理士が提案する知財戦略を実行すると
 タチバナラッセル社はアトランティス社に寝返ることができなくなる
 可能性があることもわかります。

■第6話■
●六本木アマンドの店内●
 審査官との面接の帰り、宮沢社長、正岡あけみ、西島弁理士が一息入れている。
〔あけみ〕あ〜、怖かった。何ですか、あの上から目線の審査官は。
〔西島〕大門審査官は、なかなか厳しい先行技術を挙げてきましたね。
    聞いた話では、大門審査官は、
    東帝大学病院でフリーランスの女医をしているお姉さんがいて、
    えらくコンプレックスをもっているということで、
    お姉さんに対抗して失敗しない審査を心掛けているというのですが、
    性格の悪さは同じくらいだと言われています。
〔宮沢〕西島先生、それで、勝算はいかがなものでしょうか。
〔西島〕どうも大門審査官は、先行技術の図面だけを見て、
    『陸王』は、図面に書かれてる絵を組合わせれば容易だと
    言っているようにしか聞こえません。
    私は元々化学系特許出願の権利化を多くしていていますが、
    化学系の審査官は、図面の絵を組合わせることなどありえないのですが、
    物品系の審査官は、絵だけしかみていないとしか思えない方もいるんです。
    大門審査官には、彼女が明細書の記載をずいぶんと見落としていることを、
    ねちっこく指摘しておいたので、少し考えるでしょう。
〔宮沢〕大門審査官、西島先生に言われて、ムカッ、カチンときているようでしたが、
    大丈夫ですか。
〔あけみ〕そうですよ、私、あのときの大門審査官の顔、怖くて正視できませんでした。
〔西島〕大丈夫ですよ、審査官はああ見えて頭はいいですから、
    感情的にならずに色々と考えるでしょう。

●西島特許事務所●
 西島弁理士が、ミーティングテーブルを挟んで、
 宮沢社長に、知財戦略の進捗状況を説明している。 
 秘書(石田ゆり子)が、新宿高野の高級プリンと緑茶を置いて、
 柔らかい笑みを浮かべて退室する。
〔西島〕先日、お知らせいただいた、
    特許織物「ダブルラッセル」と、特許樹脂「シルクレイ」を使用した
    第2次改良『陸王』について、特許出願4を今朝しておきました。
    これで、茂木選手に第2次改良『陸王』を届けていただいて構いません。
〔宮沢〕西島先生、ありがとうございます。
〔西島〕それと、大門審査官と面接していただいた特許出願1〜3については、
    今朝、特許査定が届きました。
    特許料を納付すれば1月ほどで特許証が届きますから、
    またその折はお知らせします。
〔宮沢〕え〜、こはぜ屋が特許権者になるのですか。
    何だか夢のようです。従業員も励みになります。
    茂木選手が出場するニューイヤー駅伝ですが、
    西島先生、もしお時間が許せば見に行きませんか。
〔西島〕それは嬉しい!
〔秘書〕あの〜、私も行ってもよろしいでしょうか?
〔宮沢〕是非、是非、大歓迎です!

●こはぜ屋の事務所●
 宮沢社長と富島専務(志賀廣太郎)が、西島弁理士に、
 タチバナラッセル社が特許織物「ダブルラッセル」について、
 こはぜ屋への独占販売契約を終了し、アトランティス社と独占販売契約するらしい
 ことについて相談している。
〔西島〕それでは、特許出願4も早期審査を仕掛けて早く特許にしてしまいましょう。
    特許出願4は、「ダブルラッセル」をアッパー素材に使用した靴について
    特許権を取得できるので、
    仮に、タチバナラッセル社が「ダブルラッセル」をアトランティス社に提供して、
    アトランティス社が「ダブルラッセル」ををアッパー素材に使用して、
    スポーツシューズを製造販売すると、
    アトランティス社はこはぜ屋さんの特許権を侵害することになりますから、
    アトランティス社がそのことを知れば「ダブルラッセル」の購入を躊躇う筈です。
〔富島〕そうすると、タチバナラッセル社の寝返りを阻止できるということですね。
〔西島〕相当な牽制力になると思います。
    但し、アトランティス社は、タチバナラッセル社に、「ダブルラッセル」を、
    アッパー素材には使用せず、靴以外の用途に使用することを吹き込み、
    こはぜ屋への提供を阻止することは可能でしょう。
    タチバナラッセル社がこはぜ屋への「ダブルラッセル」の提供を止めるか否かは、
    タチバナラッセル社の自由ですからね。
〔宮沢〕予断は許されませんね。
〔西島〕仮に、今回、タチバナラッセル社の寝返りを阻止できても、
    タチバナラッセル社の腰の定まらなさをみると、
    こはぜ屋さんへの「ダブルラッセル」の安定供給は盤石といえません。
    宮沢社長は、アッパー素材をさらに探して、
    タチバナラッセル社ともう1社による二社供給体制を組むべきと思います。
〔宮沢〕西島先生、いろいろとアドバイスいただきありがとうございます。
    タチバナラッセル社とは交渉を続け、他の提供先もあたってみます。
(続く)
posted by Dausuke SHIBA at 07:53| Comment(0) | TrackBack(0) | TVドラマ