2016年04月23日

『北の大地の詩』

 行政書士の大先輩の天辰先生が主催する漱石演劇団で活動している
 2枚目のプロパフォーマーの関井君に、
 早稲田大学の大隈講堂でばったりお会いしたことは、
 以前の日誌ブログでお話ししたのですが、
 その関井君が振付けと出演をされるということで、表題の舞台を観にいきました。
 私が行ったのは、千秋楽の4月10日(日)でした。

 劇場は、京王新宿駅から急行で20分、
 仙川駅から歩いて10分の「せんがわ劇場」でした。

 仙川駅前の桜は既に葉桜状態でした。
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 駅前は整備されている美しい街並みです。
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 閑静な住宅街を抜けると「せんがわ劇場」が見えてきます。
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 「せんがわ劇場」の入口横の講演中の案内に、本劇が掲載されています。
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 中では、劇団関係の方々が入場券を受付ていらっしゃいました。
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 外観は打ちっぱなしコンクリート仕立てですが、
 内部はそれほど殺伐としていません
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 この待合スペースで、「もしもし、『あいうえお』でよくお食事を」と、
 私と同じくらいの世代の女性に声をかけられ、
 「あ〜、どこかで」ど思って、頭の中を様々な女性の姿が駆け巡ったのですが
 「あ〜!、『あいうえお』の美人女将姉妹ではないですか」とうことで、
 私が新宿通り沿いの事務所に勤務していた頃、お昼にカレー定食を食べていた、
 新宿御苑入口に近いところにある『あいうえお』の美人女将姉妹でありました。

 『あいうえお』は、昼は木造小屋然とした定食屋なのですが、
 夜になると、「深夜食堂」に衣替え
 (正確に言えば、夜の方が木造小屋に合せているということ)
 になる新宿ならではの美味しい呑み屋です。

 店内には、1960〜1970年代の鈴木清順をはじめとする、
 日活の怪しげな映画パンフが張巡らせてあり、
 今回の演劇関係者に色濃く関係しているのも納得がいくという佇まいの店です。

 さて、開演前の舞台の雰囲気です。神々がいる天上に繋がる山と地上です。
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 席に着くと、近くに座った観客の皆さん、
 舞台・映画関係の筋金の入った方が多いようで、
 面白い雑談が漏れ聞こえてきました。

 照明でスモークが浮き上がって舞台ならではの妖艶な雰囲気です。
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******

 私は、アイヌ神話は全く知らなかったので、
 ウィキペディアなどを参考にして神話の概要を把握した上で、
 うろ覚えの舞台の流れを再構築してみました。

《ストーリー》

1.チキサ二姫(森うたう)らの神々が、未だ混沌とした大地に降臨し、
  大地から生まれ大地を支配していた魔神や悪魔を地底へと追いやり、
  世界を作り始め、やがて動植物や人間を作った。

2.天上でその様子をみていた雷神カンナカムイ(関井博之)が、
  地上のチキサニ姫を見初め結ばれて神の子が生まれた。

3.降臨した中の神コタンコルカムイ(側見民雄)は、
  地上に築いた砦で神の子を育てる傍ら、洞窟に生活する人間に言葉を教え、
  知恵を授け、神の子が生まれたときにチキサニ姫に燃え上がった炎を授け、
  村を守護した。

4.神の子は、人間の子たちと育ち
  「輝く皮衣を着る者」」の意味「オキクルミ」と呼ばれるようになった。
  やがて人間は、洞窟を出て家を建て、オキクルミ(新澤明日)と共に道具を作り、
  火を使い、農耕する生活をしだした。

5.コタンコルカムイの予言に従い、
  オキクルミは人間を指導するリーダーとなり、
  天上から遣わされ隣村の水辺から迷い込んだ美少女神サロルン(神田清夏)
  と恋に落ちた。

6.その頃、地底に追いやられた魔神(森うたう)が再び地上を襲い、
  隣村の水辺を暗黒に鎖してしまい、サロルンをさらい、
  そしてその暗黒が、オキクルミの村の水辺に到達しようとした。

7.オキクルミは、村の危機とサロルンを救うべく、
  共に育った村の若者達と立ち上がり、父の雷撃に助けられ、
  魔神に操られる湖の巨大魔魚を格闘の末に退治し、魔神を一騎打ちで滅ぼす。

8.平和が戻った地上で、オキクルミはサロルンと結ばれ、
 人間と共に村の幸せに力を尽くすのだった。

 古事記の日本国創造、スサノオ伝説、ヤマトタケルミコト伝説、
 ギリシャ神話のプロメテウスエピソードなど
 と同じような構造をもっているように思えます。

 千秋楽を終えて、感極まる関井君とツーショット。やはり二枚目です。
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 ヒロインの神田清夏さんとズーズーしくツーショット。
 「緑のカーデガンがお似合いです♡♡♡」
 とか言ってただき、ほとんど孫と爺の組合せですがやに下がってしまいました。
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******

 ところで、舞台はどうであったかというと、以下のような感想をもちました。

 森うたうさん関井君の振り付けで俳優の動きが躍動感に溢れており、
 特に、出だし冒頭で、
 関井君演じる雷神と森うたうさん演じるチキサ二姫が出会い結ばれるまでが、
 セリフが一切なく舞踏による2神の絡み合いだけで構成されており、
 なかなかエロティックでよかったです。

 また、後半の、操演された巨大魔魚との闘いと、それに続く、
 これも森うたうさん演じる魔神と新澤明日さん演じるオキクルミの殺陣も、
 派手な音響と共にスペクタクルが続き面白かったです。

 一方、少し残念なのは、物語の全体像があまりよくわからなかったことです。

 このアイヌ神話、知ってみると、とても面白く、先の粗筋の後、
 人間の堕落にあきれ果てたオキクルミは、
 いつか雷鳴と共に人間を見舞うとの言葉を残して姿を消してしまい、
 人間は深く後悔するも、雷鳴が鳴り響くと、
 オキクルミが来ていると信じて拝むようになった、
 という後日談があり、なかなか余韻の残る結末となっています。

 せめてパンフレットに原作たる神話の粗筋は載せて欲しかったのと、
 舞台では説明なく、上記1、3及び4の背景なしに、
 2及び5〜8が展開されるので、ナレーションでもよいので、
 背景がわかるような工夫が欲しかったと思います。

 また、同じ役者が一人二役をやる場合は、
 その必然性を組込んで欲しかったと思います。

 森うたうさんは、オキクルミの母親であるチキサ二姫と魔神の二役、
 関井君はオキクルミの父親である雷神と村の若者の二役で、
 結構重要な役どころを演じています。

 オキクルミの母親と魔神が実は同一人物である、などという設定も、
 神話を離れれば、それはそれで興味深い趣向なのですが、
 そのような趣向ではないとなると、
 人が足りないので1人何役もしたという感じになるので、
 役者が好演しているだけに勿体ないと思います。

******

 短期間に、コロッケさんプロデュースのモノマネエンターテイメント舞台と、
 オーソドックスな本格的舞台とを続けてみたことになり、
 久々に精神衛生が回復した気分です。

 関井君の今後の頑張りに期待します。














タグ:アイヌ神話
posted by Dausuke SHIBA at 20:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台・ライブ
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