2019年06月22日

『陸王』こはぜ屋のために知財コンサルティングをする(その6:第6話)

■幕間■
 『陸王』第5話では、以下の展開となりました。
 右向き三角1シルクレイ樹脂をソール素材とした改良『陸王』を茂木選手(竹内涼真)が履き、
  怪我からの復活の手応えを掴む一方、
  茂木選手を契約選手とするアトランティス社が、
  茂木選手仕様のスポーツシューズ『RU』を茂木選手に履くよう強要します。
 右向き三角1こはぜ屋では、さらに、タチバナラッセル社の織物をアッパー素材とする
  第2次改良『陸王』の開発に着手します。
 右向き三角1こはぜ屋の動きに合わせて、西島弁理士(西島秀俊)は、
  @新規アッパー素材を対象とした特許出願4をすることと、
  A「シルクレイ」を中核素材とする特許出願1〜3を早期審査すること
  を宮沢社長(役所広司)に提案します(ここは特許の無名塾版『陸王』です)。

 『陸王』第6話では、以下の展開になります。
 右向き三角1こはぜ屋が、タチバナラッセル社の特許織物「ダブルラッセル」をアッパー素材
  とした第2次改良『陸王』を完成させ、茂木選手に第2次改良『陸王』を届ける。
 右向き三角1茂木選手がアトランティス社の『RU』を履くか、『陸王』を履くか、
  迷った挙句『陸王』を履いて、復帰レースとなる、ニューイヤー駅伝にエントリーし、
  ニューイヤー駅伝での茂木選手の活躍が山場となります。
 右向き三角1そして、ついに第2次改良『陸王』は商品化され、店頭版橋されます。
 右向き三角1アトランティス社は、『陸王』が思った以上に良い商品であることから、
  タチバナラッセル社に、
  特許織物「ダブルラッセル」のこはぜ屋への提供を止め、
  アトランティス社に提供するよう、取引を持ち掛けませす。

 詳細はこちらが参考になります↓
http://drama-night.com/tbs/rikuou-1wa
http://drama-night.com/tbs/rikuou-1wa2/2
http://drama-night.com/tbs/rikuou-2wa
http://drama-night.com/tbs/rikuou-3wa
http://drama-night.com/tbs/rikuou-4wa
http://drama-night.com/tbs/rikuou-5wa
http://drama-night.com/tbs/rikuou-6wa

 こういうときに、弁理士は縁の下の力持ちとして、
 華やかな茂木選手の活躍の陰で、
 特許出願の審査対応をしていたりするわけです。

 また、こはぜ屋が西島弁理士が提案する知財戦略を実行すると
 タチバナラッセル社はアトランティス社に寝返ることができなくなる
 可能性があることもわかります。

■第6話■
●六本木アマンドの店内●
 審査官との面接の帰り、宮沢社長、正岡あけみ、西島弁理士が一息入れている。
〔あけみ〕あ〜、怖かった。何ですか、あの上から目線の審査官は。
〔西島〕大門審査官は、なかなか厳しい先行技術を挙げてきましたね。
    聞いた話では、大門審査官は、
    東帝大学病院でフリーランスの女医をしているお姉さんがいて、
    えらくコンプレックスをもっているということで、
    お姉さんに対抗して失敗しない審査を心掛けているというのですが、
    性格の悪さは同じくらいだと言われています。
〔宮沢〕西島先生、それで、勝算はいかがなものでしょうか。
〔西島〕どうも大門審査官は、先行技術の図面だけを見て、
    『陸王』は、図面に書かれてる絵を組合わせれば容易だと
    言っているようにしか聞こえません。
    私は元々化学系特許出願の権利化を多くしていていますが、
    化学系の審査官は、図面の絵を組合わせることなどありえないのですが、
    物品系の審査官は、絵だけしかみていないとしか思えない方もいるんです。
    大門審査官には、彼女が明細書の記載をずいぶんと見落としていることを、
    ねちっこく指摘しておいたので、少し考えるでしょう。
〔宮沢〕大門審査官、西島先生に言われて、ムカッ、カチンときているようでしたが、
    大丈夫ですか。
〔あけみ〕そうですよ、私、あのときの大門審査官の顔、怖くて正視できませんでした。
〔西島〕大丈夫ですよ、審査官はああ見えて頭はいいですから、
    感情的にならずに色々と考えるでしょう。

●西島特許事務所●
 西島弁理士が、ミーティングテーブルを挟んで、
 宮沢社長に、知財戦略の進捗状況を説明している。 
 秘書(石田ゆり子)が、新宿高野の高級プリンと緑茶を置いて、
 柔らかい笑みを浮かべて退室する。
〔西島〕先日、お知らせいただいた、
    特許織物「ダブルラッセル」と、特許樹脂「シルクレイ」を使用した
    第2次改良『陸王』について、特許出願4を今朝しておきました。
    これで、茂木選手に第2次改良『陸王』を届けていただいて構いません。
〔宮沢〕西島先生、ありがとうございます。
〔西島〕それと、大門審査官と面接していただいた特許出願1〜3については、
    今朝、特許査定が届きました。
    特許料を納付すれば1月ほどで特許証が届きますから、
    またその折はお知らせします。
〔宮沢〕え〜、こはぜ屋が特許権者になるのですか。
    何だか夢のようです。従業員も励みになります。
    茂木選手が出場するニューイヤー駅伝ですが、
    西島先生、もしお時間が許せば見に行きませんか。
〔西島〕それは嬉しい!
〔秘書〕あの〜、私も行ってもよろしいでしょうか?
〔宮沢〕是非、是非、大歓迎です!

●こはぜ屋の事務所●
 宮沢社長と富島専務(志賀廣太郎)が、西島弁理士に、
 タチバナラッセル社が特許織物「ダブルラッセル」について、
 こはぜ屋への独占販売契約を終了し、アトランティス社と独占販売契約するらしい
 ことについて相談している。
〔西島〕それでは、特許出願4も早期審査を仕掛けて早く特許にしてしまいましょう。
    特許出願4は、「ダブルラッセル」をアッパー素材に使用した靴について
    特許権を取得できるので、
    仮に、タチバナラッセル社が「ダブルラッセル」をアトランティス社に提供して、
    アトランティス社が「ダブルラッセル」ををアッパー素材に使用して、
    スポーツシューズを製造販売すると、
    アトランティス社はこはぜ屋さんの特許権を侵害することになりますから、
    アトランティス社がそのことを知れば「ダブルラッセル」の購入を躊躇う筈です。
〔富島〕そうすると、タチバナラッセル社の寝返りを阻止できるということですね。
〔西島〕相当な牽制力になると思います。
    但し、アトランティス社は、タチバナラッセル社に、「ダブルラッセル」を、
    アッパー素材には使用せず、靴以外の用途に使用することを吹き込み、
    こはぜ屋への提供を阻止することは可能でしょう。
    タチバナラッセル社がこはぜ屋への「ダブルラッセル」の提供を止めるか否かは、
    タチバナラッセル社の自由ですからね。
〔宮沢〕予断は許されませんね。
〔西島〕仮に、今回、タチバナラッセル社の寝返りを阻止できても、
    タチバナラッセル社の腰の定まらなさをみると、
    こはぜ屋さんへの「ダブルラッセル」の安定供給は盤石といえません。
    宮沢社長は、アッパー素材をさらに探して、
    タチバナラッセル社ともう1社による二社供給体制を組むべきと思います。
〔宮沢〕西島先生、いろいろとアドバイスいただきありがとうございます。
    タチバナラッセル社とは交渉を続け、他の提供先もあたってみます。
(続く)
posted by Dausuke SHIBA at 07:53| Comment(0) | TrackBack(0) | TVドラマ
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